彩りかきあげ
作る修行~台所の坐禅~
材料
・ごぼう 30g
・人参 50g
・さつまいものヘタ 適量
・ズッキーニのヘタ 適量
・ピーマンのヘタ 適量
・カボチャの皮 適量
・茄子のヘタ 適量
・ほうれん草の根元 適量
A 小麦粉(天ぷら粉) 1カップ(200ml)
A 水 180ml ・揚げ油 適量
作り方
①金だわしで土と皮を洗いこそいだごぼうを細切りにし、多めの水に3分ほど浸けてアクを抜き、ザルにあげて水を切っておきます。
②人参を細切りにします。 ※皮は必ずしも剝かなくても大丈夫です。
③さつまいものヘタは最も外側の糖分が染み出て固くなったり土が固着しているところを薄く取り除き、ヘタを縦に半分または1/4程度に切ります。
④ズッキーニのヘタは細くなるように縦に何度か切ります。
⑤ピーマンのヘタは1/4または1/6に切ります。
⑥カボチャの皮は細切りにします。
⑦茄子のヘタは縦に何度か切ります。
※新鮮な茄子にはヘタにトゲがついていることがあるので注意し、トゲがあれば包丁やとげ抜きで取り除きます。
⑧ほうれん草の根元は良く洗ってできるだけ土を取り除き、茎から取り除きます。
※③~⑧は全て揃える必要はなく、一例として多めに挙げてあります。
①②(牛蒡と人参)をベースとして、その時にある切れ端や皮をうまく混ぜ込みましょう。すぐに傷む食材以外は、料理のたびに少しずつ冷蔵庫に貯めておくと良いでしょう。
⑨Aをボールで溶いて揚衣を作り、具材を入れてよく混ぜ、1分ほどおいて衣をなじませてから揚げる前に再度混ぜます。
※かき揚げの場合は具材が油の中でバラバラに分離しやすいため、粉よりも1割ほど少ない水で濃い目に溶きます。多くても同量程度にします。水と粉を混ぜる際、強く混ぜてしまうと粘り気が強くなってしまうため、はじめはボールをゆすって粉と水をなじませ、箸や泡立て器などで軽く最小限混ぜるようにします。
⑩170度の油で揚げます。
※ボールの中で衣と混ぜた具材をかき揚げの形に調えてレードルやお玉、または耐熱性のヘラなどの上に載せ、そのまま油に投入して滑らせるように落とすと形を崩しにくく揚げることができます。油が跳ねると危ないので注意しましょう。油に投入したあとは具材をあまり触らず、1分は油の中で触れずに泳がせます。ただし具材が分離してしまった場合は、すぐに箸やへらで押し付けてまとめます。1分ほどしたら裏返し、全体がきつね色に揚がったら引き上げます。
⑪塩をふりかけて頂きます。
―メモ―
☆かき揚げは、天麩羅の一種ですが、かき揚げもまた、切れ端や残り部材をうまく利用するのに最適な料理の一つです。衣で隠してしまえば何が入っているかわかりにくくなりますし、それに高温の油で火を通すため、あらかたの具材は食べやすくなります。ちょっとこれはどうかな?と思うような普通は料理に加えにくいものでも、かえって彩りが良くなったり、味や食感のアクセントになるから不思議です。たとえば生のわさびの皮とか、柿の皮。絞ったゆずの絞りかすや、みかんの皮、セロリの葉、大葉の軸などなど。もちろん試してみたら合わずにダメだったということもあるでしょう。あれこれ試行錯誤してみるのも精進のうちですし、それがまた料理の工夫の面白さといえます。
油の中で具材がばらけてしまったり、またカリッと仕上がらないのは油の温度が原因です。溶いた衣を小さな一粒油に落とし、沈まずに油の表面にすぐに浮くのでは高温すぎ、底まで沈んでしばらく上がってこないのは低温すぎ。少しだけ沈んですぐに浮くぐらいの温度が適温です。具材を入れた後は油温がぐっと下がるので、慣れないうちは油用の温度計を使い調整しましょう。またフライパンなど浅い鍋で油を少なめにして揚げるのは、かき揚げの全体が油の中に入らず露出してしまうため、これもまた慣れないうちは失敗する可能性があります。深めの油鍋で多めの油を使って揚げてみましょう。