令和7年 年頭の挨拶
乙巳の新年が明けました。何事も無く新春の暁をお迎えの皆様に、心よりご祝詞を申し上げます。
有ろう事か、昨年元日夕刻には能登半島を中心とする大地震が発生し、新年の喜びを共にされていた方々が、一瞬後には悲嘆の只中の人となって仕舞われました。被害状況が明らかになるに連れ、老躯に宿る心は擂り潰されるような苦しみを感じました。
この思いから、来る年は、どうか、どうか、何方もが何事も無く新年をお迎えになられますように、と切に切に祈願した年の瀬でありました。
自然災害は何事も無いことを願い祈るしかありませんが、人間が引き起こす紛争や戦争は違います。願い祈るばかりでは解決致しません。さりとて、銃弾砲弾飛び交う中に飛び込む蛮勇で解決する筈も無く、互いの正義を主張して止まない相手を説き伏せようにも、聞く耳を持ちますまい。一つ間違えば新たな火種となりましょう。
お釈迦様がお覚りになられた「縁起」は、大宇宙調和の実相です。各々が正身端坐するところ対立はありません。寂静とした調和が持たれております。正身端坐こそが平和へ確かな一歩である、と思い定めましょう。
曹洞宗管長 南澤道人
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ラジオNIKKEI 2025.1.1 放送 「声の年賀」より