大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌 関東管区予修法要開催報告

2023.08.31

令和5年6月2日(金)大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌関東管区予修法要が大本山總持寺にて開催された。

瑩山紹瑾禅師は加賀の東香山大乗寺開山となられた徹通義介禅師より法を嗣ぎ、能登の諸嶽山總持寺、洞谷山永光寺を中心に曹洞宗が全国へ広まる礎を築かれた方である。

その法嗣や法孫は曹洞宗ばかりではなく他宗にも及び現在も脈々とその法燈をつないでいる。瑩山禅師は永光寺で宗門の維持発展を図るために四門人六兄弟を決めた(曹洞宗門下の四師、明峰素哲・無涯智洪・峨山韶碩・壺庵至簡に孤峰覚明・珍山源照を加えた六師のことである)。この中に臨済宗法燈派の孤峰覚明禅師がいる。きわめて異例とも思われるが宗派にとらわれず人を見る瑩山禅師の人柄が現れた逸話であろう。

瑩山紹瑾禅師は正中2(1325)年9月29日62歳で遷化され、令和6年は700回目のご命日にあたる。

法要当日はあいにくの荒天であった。しかしながら参加者は予定どおり大本山總持寺にご参集いただいた。

導師を務められる石附禅師

午前10時の定刻どおり、開会の辞が山﨑孝裕関東管区副管区長・茨城県宗務所長より述べられ、服部秀世宗務総長の挨拶が予修法要の始まりを告げた。導師を務められる大本山總持寺貫首 石附周行禅師が上殿された後、法要は滞りなく行われた。随喜寺院僧侶、参加者全員が報恩供養の衷心を捧げ進前焼香された。

法要を終えた後、石附禅師より御垂示を賜った。また渡辺啓司大本山總持寺監院・大遠忌総監より随喜された方々への感謝の言葉と、来年の本法要に対する意気込みが述べられた。

午後より、関東地区管区集会が併設する形で執り行われた。今回の予修法要の担当県である山梨県の河口智範山梨県宗務所長より開式の辞が述べられ、橋本恵一関東管区長・群馬県宗務所長の導師のもと管区集会の開会法要が挙行された。平塚義ただし山梨県宗務所護持会長より「宗門護持会宣言」が行われた後に、柴田正晴曹洞宗宗門護持会長、橋本恵一関東管区長、服部秀世宗務総長の挨拶と続いた。

講演 盛田副貫首

その後、盛田正孝大本山總持寺副貫首より「大本山總持寺開山瑩山紹瑾禅師七百回大遠忌によせて」と題した講演を賜った。「相承―自ら行い、心をもって伝える」にちなみ、今、ここにお釈迦さまの教えがあるのは多くの祖師方の伝えるという努力の賜物であると懇切丁寧なお話をいただいた。

一旦休憩をはさんで、松本紹圭師による「グッド・アンセスター(Goodancestor)~私たちはよき『祖先』となりうるか~」と題した基調講演が始まった。今回の講演では、僧侶と各護持会長がペアになって着座していただく形式をとった。参加者の方々には戸惑いも見られたが、松本師の巧みな誘導により講師、参加者一体となった講演となった。

講演内容は「次の世代に繋げる、繋がる、私たちの生き様はどうであろうか」と自分自身を振り返り、「相承」を身近に感じていただき、自分の命をもって何を伝えるか考えさせられる講演であった。

閉会式直前に大本山總持寺周辺一帯に大雨による警戒レベル3が発令されるなど慌ただしい閉幕になったが、すべての参加者が無事帰路に就くことができた。これも大本山總持寺役寮の方々はじめ、多くの本山大衆が大雨の中、参加者が円滑に乗り物に乗車できるよう取り計らってくださったおかげであろう。

大本山總持寺では来年(令和六年)の大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌の準備が進められている。本法要に多くの方々がこの鶴見の地、大本山總持寺を訪れていただき、相承の風を感じていただきたい。