令和3年度教化部国際課事業 「ZenDo Tokyo」開催報告
教化部国際課では、東京オリンピック(7月23日~8月8日)・パラリンピック(8月24日~9月5日)期間にあわせて、曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)で、英語によるオンライン坐禅会「ZenDo Tokyo」を開催いたしました。
「ZenDo」は「禅堂」をローマ字表記しただけでなく、「禅」を「Zen」、「Do」を「実践する」と読むことも可能であり、只管打坐を根本とする宗門の教えを体現した事業となっております。
当初は、2020年に開催予定であった両大会の観戦に訪れる訪日外国人や、オリンピアン・パラリンピアンをはじめとする大会関係者を対象とし、対面式の指導による体験型の坐禅イベントを計画しておりましたが、新型コロナウイルス感染症による世界的なパンデミックの影響により、開催期間の延期およびオンラインによる坐禅会へと変更いたしました。
計14回の「ZenDo」には、日本、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパを中心に世界各地から参加があり、世界各地で国際布教に従事する国際布教師や経験者が講師を務めました。坐禅後には質疑応答の時間を設け、オンライン会議「Zoom」を通じて、講師との対話により、相互に「つながり」を感じることができる坐禅会となりました。終了後のアンケート調査では、参加者から「実際に日本を訪れたかったが、新型コロナウイルスの影響で行けなかった。禅文化に触れることができる機会をつくってくださり嬉しく思う」や、「対面で行う機会がない中、オンラインで講師や参加者の皆さんと繋がることができて、初心者でも安心して参加できた」などといった感想をいただき、大過なく終了することができました。
現在、各国において出入国の制限が課せられており、訪日を希望する外国人にとっては、日本国内で禅文化に触れ、坐禅を体験することができません。そのような状況下において、このたびのテクノロジーを活用した新たな坐禅体験型事業の事例は、今後の国際布教の一つの方法になると考えられ、曹洞禅のさらなる敷衍が期待できます。
新型コロナウイルス感染症が収束し、次年度以降も「ZenDo」が世界各地で対面で開催できますことを祈念いたしまして、ご報告とさせていただきます。 合掌
(教化部国際課記)