【人権フォーラム】2020年度 教区人権学習会開催のお願い

2020.04.03

一昨年度の教区人権学習会では「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称「障害者差別解消法」)の中で定められる、障害者に対する「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」について学習していただきました。昨年度は「誰もが安心安全に来られる寺院にしていくために~障害者への合理的配慮を入り口として~」という資料をもとに、誰もがお参りしやすいお寺の実現をテーマとした話し合いを通じて、具体的実践につなげていただきました。

今年度は「誰もが当たり前にお参りできる供養の場を目指して~見えない障害のある人の視点から~」という冊子資料と映像資料をもとに、精神障害や知的障害といった目に見えにくい障害について考えることをとおして、これまでの学びをさらに深めていただきたいと思っています。

情報保障について

学習会開催にあたっては、視覚障害や聴覚障害等によって情報が得られない人に対して、代替手段を用いて情報を伝える「情報保障」についてご配慮願います。

参加者に、文字や映像が認識しづらい人等がいるか学習会前にご確認ください。冊子資料と開催要項のデータは「曹洞禅ネット」の寺院専用サイトに掲載してありますので、必要に応じて画面に出力する等の対応が可能です(その他、文字の拡大やコントラストの変更に関するパソコンの設定については、「PC アクセシビリティ 設定」等で検索してください)。

映像資料は、「通常版」と「情報保障版」の2つのチャプターを用意しておりますので、参加者の状況に応じてご利用ください。

学習会の趣旨 

資料の2頁で次のように述べています。

僧侶である私たち自身が、供養というものをどのように考え、位置づけていくのかを考えていきたいと思います。今、世界は、障害者を含めたすべての人々が「同じ社会で一緒に生活すること」を模索し、動き始めています。社会と切り離された場所にある施設にとじ込めるのではなく、また障害のある方の家族だけに負担が集中するのでもなく、社会全体が彼らを「同じ仲間」として受け入れ、ともに暮らしていく道を模索しようとしています。
供養の場で大切なことは、故人を思う人々が分け隔てなく集まり、故人への弔いの心を共有することなのだと思います。近親の家族はもちろん、縁をいただき、人生に関わった方々がみんなで集まり、想いを共有する場を持つ。そんな温かい場を作ることができればと願っています。
誰もが当たり前にお参りできる供養の場づくりのために、私たちができることを考えていきましょう。

社会で、供養の場で、目に見えにくい障害のある方とどのように向き合い、何ができるのか考えてまいりましょう。

資料の構成

資料は以下の内容で構成されています。

・1―2頁
 はじめに [誰もが当たり前にお参りできる供養の場を目指して]
 昨年度の学習の振り返りと今年度の学習で目指すことを確認します。

・3―6頁 差別心はどこからくるのか 
 大阪市立大学の池上知子教授の寄稿文です。社会心理学の視点からの捉え方を踏まえ、差別や偏見をポジティブに乗り越えていこうという前向きな言葉をいただきました。

・7―10頁 僧侶が精神障害当事者の方に聞いてみた
 精神障害のある人の困りごとを理解するために行った、精神障害当事者会ポルケの皆さんへの取材報告です。

・11―14頁 僧侶が知的障害のある方の暮らしについて聞いてみた
 知的障害のある人が抱える「生きにくさ」の解消に奮闘しているNPO法人UCHI(うち)の皆さんへの取材報告です。

・15―16頁 障害の社会モデルの観点から考える人権
 精神障害当事者会ポルケ代表の山田悠平さんの寄稿文です。従来の障害観とは異なる「障害の社会モデル」の観点の大切さについて、当事者の視点から語っていただきました。

・17―18頁 まとめ[ダウン症児の父親として 曹洞宗僧侶として]
 秋田県長寺住職の金子宗元さんの寄稿文です。障害児の親としての思い、宗門寺院・住職への願い、誰もが当たり前にお参りできる供養の場を育んでいくことについての言葉をいただきました。

ほっとけない菩薩 (クリックでPDFが開きます)

・裏表紙 マゼンタ・スター
 東京大学の学生を中心に組織されたEMPOWER Project発案の「マゼンタ・スター」というマークがあります。これは「困ったときにはお声を!」という協力する側の思いを表現しており、その心は菩薩さまと同じだと考えました。マークの紹介と合わせ、皆で「ほっとけない菩薩」になろうと提案しています。

 

 

学習会の進め方 

本年度の学習は、DVDを視聴しながら、案内に従って適時グループワークを行っていただく形式となっています。以下、開催要項にある学習の進め方を紹介いたします。

用意するもの

筆記用具、グループワークで使用するメモ用紙

開催要項7頁のワークシートを参加者人数分コピーし配布いただきますよう、お願いいたします。

1、開会
教区長より開会願います。

2、趣旨説明・導入
講師より冊子資料の1~2頁 「はじめに」を音読して学習会の導入としてください。

3、障害の社会モデルの確認
冊子の15~16頁「障害の社会モデルの観点から考える人権」を輪読してください。

4、映像研修のスタイルについて
今回の研修は、映像を見て参加者同士が話し合うスタイル(グループワーク)をとっております。皆さまには、次の二点について学びを深めていただければと思っております。

① 従来の障害観とは異なる「障害の社会モデル」の観点の大切さを知ること
② 精神障害の事例を学ぶ中で、さらなる人権の意義を学ぶこと
なお、映像は、「事例一、ワーク、解説一、事例二、ワーク、解説二」という構成になっています。

5、事例一視聴
 DVDを再生し事例一の映像をご覧ください。

6、ワークシート記入
事例一の映像視聴後、アナウンスに従って映像を一時停止し、ワークシートに自分の考えを記入してもらいます。
*目安は三分ですが、状況によりご対応ください。

7、グループワーク 
3~4人をグループとして、ワークシートに記入した内容を共有してください。その後、意見交換をお願いします。
*目安7分ですが、活発な話し合いがなされている場合は適宜ご判断ください。
*異なる年齢層で班を構成すると様々な年代の考え方を学ぶことができます。

8、事例一の解説と事例二視聴
意見交換が終わったらDVDを再生して事例一の解説をご覧いただき、引き続き事例二を視聴してください。

9、グループワーク
事例二の映像視聴後、アナウンスに従って映像を一時停止し、事例一と二の違いについてグループで意見交換をお願いします。
*目安七分ですが、活発な話し合いがなされている場合は適宜ご判断ください。

10、事例二の解説視聴
意見交換が終わったら、DVDを再生して事例二の解説をご覧ください。

11、グループワーク
映像が終わったらDVDを停止し、最後のグループワークをお願いします。各班の意見は開催要項添付の報告書に取りまとめてご提出をお願いいたします。

12、もっとグループワークを続けたいという場合
以上の研修を終了してもまだ時間が取れる場合は、冊子資料の記事を輪読し、その記事について意見交換すると学習が更に深まります。それぞれ二〇分程のグループワークが可能です。

13、閉会
教区長より閉会の言葉をお願いいたします。

なお、教区長宛に教区寺院数分の冊子資料と、DVDと開催要項を一部ずつ送付させていただきますので、よろしくお願いいたします。

資料を追加で希望される場合や、不明な点につきましては、人権本部までお問い合わせください。

※お問い合わせ先曹洞宗人権擁護推進本部 ℡03―3454―3546

(人権擁護推進本部記)


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