曹洞宗総合研究センター 第21回学術大会開催報告
11月25日・26日の両日、曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)を会場として曹洞宗総合研究センター第21回学術大会が開催され、3会場に分かれて42名の個人発表に加え、2つのシンポジウム、1つのパネル発表が行われました。
大会初日は午前9時30分より桜の間で開会式が挙行され、鬼生田俊英宗務総長並びに志部憲一総合研究センター所長の挨拶にて幕が開きました。
午前10時からの個人発表と同時に、桜の間ではシンポジウム「島々の信仰~離島から考える寺院の今後~」が開催されました。このシンポジウムでは『kuu:』vol.7(2018年2月28日発行)において特集した「島々の信仰」について、制作に関わった関水博道センター専任研究員、横山俊顕センター委託研究員が、現地取材によって得られた知見をふまえた発表を行いました。また、公益財団法人日本離島センターの三木剛志広報課長より、離島の現状や伝統文化の伝承のありかたについて講演いただき、法政大学教授の中俣均氏よりシンポジウムのまとめのコメントをいただきました。離島における寺院運営の現状、信仰、文化を継承することの課題等を考えながら、布教教化の今後について検討しました。
午後1時からは桜の間にて曹洞宗総合研究センター発足20周年記念シンポジウムとして「食~禅に学ぶ~」が2部構成で開催されました。第1部では『典座教訓』をテーマとし、宗学研究部門研究員を中心とする6名により発表がなされました。第2部では食の未来について教化研修部門研究生を中心とする6名により発表がなされました。第2部終了後は、発表者全員が登壇して質疑応答が行われ、聴講に訪れた150人の方々との活発な意見交換が行われました。
第2日目は、午前10時よりそれぞれの会場で個人発表が行われ、午後1時からは桜の間にて、パネル発表「岐路に立つ仏教寺院」が行われました。このパネル発表では『岐路に立つ仏教寺院』(2019年7月刊行)の各章で明らかにされた寺院の現状と今後に関する分析が紹介されました。
各部会毎の個人発表では従来の宗学や教化学に関連する分野はもちろんのこと、SDGsに関する発表や、ゲームを活用した布教、象鼻衣についての発表、幼児教育における布教、食に関する発表など、幅広い視点からの意欲的な発表が行われました。
また、かねてより行っている臨済宗妙心寺派との学術交流の一環として、本年も臨済宗妙心寺派教化センターの方からも発表がなされるなど、多岐にわたる研究発表となりました。なお、発表内容は後日、総合センター学術大会紀要としてまとめる予定です。
総合研究センター記