映画『典座―TENZO―』公開 ダライ・ラマ法王14世よりメッセージが届きました。
本日10月4日(金)より全国曹洞宗青年会製作の映画『典座―TENZO―』がアップリンク渋谷・吉祥寺にて公開となります。この映画についてダライ・ラマ 法王14 世より、日本公開の初日にメッセージが寄せられました。
映画『典座』が、社会に貢献する日本の僧侶たちの生活を描いたものであると知り、嬉しく思います。2011年の東日本大震災とその後の福島の惨事を背景にしたこの映画は、人間、自然、そして社会のつながりについても描いています。
仏教の僧侶や尼僧たちが、宗教的な探求のみならず社会的な活動により関わることを、私は常に支持してきました。「人々の幸福のための奉仕」というこの映画のメッセージを通じ、日本における曹洞禅の伝統の中で、私たちの精神的な兄弟たちが行ってきた、この寛大で有益な取り組みが、世の中により広く知られることを願っています。祈りと願いを込めて (原文翻訳)
この映画が、人々の幸福の為に宗教があるということ、また東日本大震災後の現代日本における人間・自然・社会のつながり、加えて、修行のみならず社会に貢献しようとしている僧侶の姿を描いていることに胸を打たれたと語られています。
(作品紹介)
10 年前、本山での修行を共にした兄弟子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)は福島と山梨のそれぞれのお寺に戻った。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える 3 歳の息子と共に暮らしている。一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまい、今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住みながら本堂再建を諦めきれずにいた――。
冒頭映像には、大本山永平寺に向かう笠を被った僧侶の一団から始まっている。雪が積もり、凍てつくような寒さが映像からも感じ取れる、福井県にある大本山永平寺。ここには僧侶になる為の修行をすべく、全国から若い僧侶たちがやってくる。この映画の主人公、智賢もそうだった。「寺に、跡継ぎとして生まれた私は、10 年前に本山の山門をくぐった」とナレーションが入り、極寒の中で廊下を裸足で床拭きする姿、警策を持った僧侶が立つ中で坐禅に励む姿などが描かれている。それらの映像に被さる形で、曹洞宗の高僧、青山俊董老師が語る言葉が印象的だ。「禅と一言で言っても、悟ることをだけ目的とするのは狭い意味の禅である」「道元禅師の修行観は24時間体制。時と事を限らない」。本作のタイトルでもある『典座』は、道元禅師が遺した「典座教訓」から採られているが、それは台所当番の心得を書き記したもの。その他、食事をいただく時の心構え、顔の洗い方から、お手洗いでの用の足し方など、生活のすべてが修行であるという道元禅師の教えを青山老師は語る。
本作は、その 10 年後に自分の寺に戻った山梨の智賢、そして福島の隆行のフィクションパートに加えて、青山老師と智賢との「禅問答」のような対話がドキュメンタリーとして映画の随所に挿入されており、さまざまな魅力が詰まった作品となっている。
ダライ・ラマ 法王14 世からも期待される『典座 -TENZO-』は本日公開。
是非劇場に駆けつけて頂きたい。
映画予告編はこちらから
公開スケジュールはこちらから
公式HP→【sousei.gr.jp/tenzo/】
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・第72回カンヌ国際映画祭批評家週間「特別招待部門」選出
・第30回マルセイユ国際映画祭「観客賞」受賞
製作︰全国曹洞宗青年会
監督︰富田克也
配給︰空族