「第2回曹洞禅フォトコンテスト」の審査会が行われました
7月19日、東京グランドホテル(曹洞宗檀信徒会館)において、写真家の石橋睦美(いしばし むつみ)先生を審査員にお迎えし、「第2回曹洞禅フォトコンテスト」の審査会が行われました。
「お寺での光景」「未来に残したい情景」をテーマに、様ざまな思いがつまった写真1369点が寄せられました。その中から入賞作品32点が選ばれました。
石橋睦美先生より総評
「今年で2回目になるフォトコンテストです。ようやく梅雨が明けたか、と思われるような7月中旬の暑い日に審査が行われました。そうは言っても審査会場は冷房が効いているから、暑さで厳正な審査に影響を与えると言うことはありません。
今年の応募作品は1369点、応募テーマは「お寺での光景」、宗派は問いません。それと「未来に残したい情景」、こちらは伝統、風習、文化、自然などをモチーフにした心安らぐ映像です。この2本立てのテーマにより応募作品に幅が広がり、結果、昨年を上回る応募数となったのです。
審査は前回同様、第一審査では私の目にとまった作品を分野ごとに選びだしました。次の二次審査では、その中から優秀作品をピックアップしてゆきました。実は、この作業が困難を極めたのです。なぜというと、落選させるには忍びない優秀な作品が多数あったからです。中でも組写真での応募が多く、確固たるコンセプトを持って映像に反映させた優秀作品が数点ありました。こうなると単品での作品は、よほど力強い映像表現が成されていなければ印象が弱くなります。なぜというと、組写真は数枚の写真によって物語性が強調されるからなのです。そのため、今回の最優秀賞に輝いたのはスミ付祭りを題材にして、土地に根付いてきた風習を現代に受け継ぐ情景として描いた作品になりました。
私は写真芸術と言うのは、リアリティーであることに尽きると思っています。それには記録性が加味されていることが不可欠なのですが、それを映像に反映させるには、作者の被写体に対する強い思い入れがなければなりません。これは単写真にもあてはまることなのです。要するに作者が表現しようとする信念を持ってカメラを向けた作品は、構図も完成度が高く素晴らしくなるのです。
このフォトコンテストの特色は、地球に生きるすべての生物の現状を表現した作品で埋め尽くされることではないか、と私は思っています。ぜひ来年も多くの応募作品が集まることを願っております。」
入賞作品と選評はこちらをご覧ください。
作品の展示は、10月3日に曹洞宗宗務庁主催の「禅をきく会」開催会場である「メルパルクホール」(東京都港区芝公園2-5-20)にて展示いたします。