精進料理教室「味来食堂~僧食を学ぼう~」が開催されました
9月28日、東京グランドホテル(曹洞宗檀信徒会館)5階において、全国曹洞宗青年会(全曹青)による精進料理教室「味来食堂~僧食を学ぼう~」が開催されました。
「味来食堂」は、精進料理という、食を通して伝える禅の魅力を多くの方に体験して頂きたいという思いを込めて開催しています。
今回は「お坊さんに学ぶ精進出汁と精進料理の基礎講座」をテーマに、メニューは大根と秋ナスのミルフィーユ、茶飯、揚げ高野豆腐の山かけ、満月豆腐の赤みそ仕立て、宇治金時ブラマンジェの5品で、それぞれの作り方を実演しました。
講師は山梨県耕雲院 河口智賢師、宮城県宗恵寺 長尾靖樹師、福島県龍昌寺 斎藤紹俊師、神奈川県常泉寺 折橋大貴師が担当しました。
禅寺では、食事を作る役目の僧を「典座」と呼びます。調理に入る前に、河口講師からその職責について、解説がありました。大本山永平寺を開かれた道元禅師の著書『典座教訓』では、食事とは、ただ食することだけではなく、作法に則り、「作り」・「頂き」・「片付ける」ことすべてが修行の一環であり、食材を大事にし、心を込めて調理することの大切さを説いております。参加者は講師による丁寧な説明にメモをとりながら熱心に耳を傾けている様子でした。
講義後は調理場へ移り、最初に河口講師より、精進料理の基本となる「精進出汁」を作るため、大豆を炒ることから参加者に指導しました。それぞれの料理をすすめる過程で、受講者からの質問にも丁寧に応じつつ、一手間加えることの重要性を説明していました。
次に、折橋講師による、デザートのブラマンジェ作りを行いました。途中、中国から日本に伝わった精進料理(普茶料理)に関する話や、修行時代の典座職の料理事情等を交えながら、料理のポイントや食材の個性を活かすことのお話がありました。
最後に、参加者全員で御膳を前に食事の前に唱える偈文『五観の偈』をお唱えし、料理をいただく心構えも体験しました。食事後は、全員で片づけをして終了となりました。
参加者からは、「精進出汁が野菜の甘みを引き出していて、野菜本来の美味しさを味わうことが出来ました」「今回のメニューは、フレンチ料理のように現代的でおしゃれでとても斬新でした」と大変好評でした。
全曹青教化委員長の近藤真弘師は、「お陰様で毎回多くの方から応募があり、ご好評を頂いておりましたので、今回は前回より定員を増やしての開催となりました。今回も早い段階で多くの方から応募頂きました。約半分の方が前回からのリピーターで、続けて受講したいという方が多いようです。今後も定期的に開催していきたいと考えております」と今回の感想を述べ、今後の「味来食堂」開催への期待の高さを伺い知ることができました。
次回の日程は現時点では未定とのことです。
開催が決まり次第こちらのサイトでご案内いたします。