【シャンティ国際ボランティア会(SVA)ニュース】

2025.03.26

ミャンマー10周年イベント「学びを届けるための挑戦~ NGOの苦悩と模索の10年~ 」

昨年12月6日、SVAミャンマー事務所10周年の記念イベントを開催した。

前半は、教育専門家で株式会社パデコ教育開発部の宮原光氏に「ミャンマーの教育の変化とカリキュラム」についてお話しいただいた。半世紀以上の軍政下で教育改革が行われてこなかったミャンマーで、宮原氏は教育カリキュラム改訂の技術協力プロジェクトに携わり、教材開発にも関わってきた。カリキュラムは、ミャンマーで昔から大切にされてきた知的能力、健康身体能力、道徳倫理観、社会的適応能力、経済的概念の五つの力と、新しい時代を生きるためのスキルを身につけることを目指してつくられた。宮原氏は「ミャンマーの教育はここ10年で大きな変化を遂げており、子どもたちに寄り添う周りの人々の支えが大切な状況にある。今後も、未来を生きる子どもたちのためにできることを模索し続ける」と語った。

後半は、SVAミャンマー事務所スタッフが「シャンティのあゆみ、今後への希望」というテーマで10年の活動を振り返った。当時の教育環境の厳しさや図書館活動の苦労とともに、「この10年間、困難を乗り越えてきたことを心に留めて、子どもたちのため、地球のために、図書館活動を育てていくことに心を注いでいきましょう」と未来へのメッセージを語った。ミャンマーでは今後もさらに厳しい状況が続くと思われるが、学びは生きる力となり、生きる力が未来を築くと信じて活動に取り組んでいく。

 

ラオスで読書推進活動ワークショップを実施

SVAラオス事務所では、昨年6月よりJICA草の根技術協力事業として「初等教育における少数民族児童の指導・学習環境改善事業」を行っている。その中でも中心となる読書推進活動のワークショップを、ポンサイ郡とムンゴイ郡の2ヵ所で実施した。

ワークショップの目的は、対象とする小学校に読書室または読書コーナーを設置し、教員と住民が協力して運営・管理し、活動実施のための知識と技術を習得することである。内容は、図書登録用ノートや図書貸し出し用カードの作成、絵本の読み聞かせの練習、読書推進活動計画の作成、郡教育スポーツ局職員の講義などが行われた。

参加した教員は「読み聞かせや絵本を通した活動を継続することで、少数民族の子どもたちがラオス語を読んだり聞いたりできるようになる」と意気込みを語った。SVAでは円滑に活動が進むよう事業に取り組んでいく。

シャンティ国際ボランティア会
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