宗務総長談話(朝鮮民主主義人民共和国の核実験について)

2013.03.05


朝鮮民主主義人民共和国の核実験について 


「人権 平和 環境」を標榜し教化活動を推進する曹洞宗は、この度の朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮といいます)による核実験に対し強く抗議し、深い遺憾の意を表明いたします。
2月12日、北朝鮮は2006年、2009年に続き3度目となる核実験を強行しました。
わが国は、世界で唯一の原爆被爆国であり、核兵器はすべての物を破壊し、命を奪い、その被害が想像を絶する事を経験しました。また、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故で拡散した放射性物質の対処に未だ苦悩しています。
今回の核実験は、国連安全保障理事会決議を無視しているばかりでなく、近隣諸国における緊張を高めるものであり、断じて容認することができません。
曹洞宗は、戦争の悲惨さを直視し、いのちの尊さを自覚して、世界平和の実現に向けさらなる努力を続けています。この根本には、お釈迦さまのみ教えと、道元禅師さま、瑩山禅師さまのお示しを依りどころとして、慈悲の心に満ちた、争いのない社会を築きたいという、私たちの誓いがあります。
今後、北朝鮮が二度とこのような行動にでることのないよう、他国との対話を通じてお互いに理解が深められることを強く望みます。

 2013年3月4日 
曹洞宗宗務総長 佐々木孝一

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