【International】両大本山布哇別院正法寺 参拝ツアー開催報告
平成30年3月5日から9日までの5日間、「両大本山布哇別院正法寺参拝ツアー」が開催され、日本とハワイの婦人会が匂い袋つくりのワークショップなどを通じて、まさに温かい交流がなされました。
両大本山布哇別院正法寺
多くの外国人が行き交い、早くも海外を訪れた雰囲気すら感じられる東京国際空港の会議室に集まり、出発に際して、山本健善教化部長によって安全祈願、そして結団式が行われました。それから約7時間の空の旅を経て、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に到着すると、時差と気候の違いに驚かれた参加者の方もありましたが早速行程に入りました。
両大本山布哇別院正法寺に到着すると、駒形宗彦国際布教総監や多数の国際布教師をはじめ正法寺の檀信徒の方々、そしてハワイ曹洞宗連合婦人会の方々から歓迎のお出迎えをいただきました。
三宝御和讃の奉詠にて導師が上殿し営まれた世界平和祈念法要では、英語で三帰依や回向が行われ、それを初めて耳にした参加者からは、日本のお寺とハワイの英語の文化がともに受け継がれていると感じたとの声が聞かれました。法要の後、寺院の案内やおもてなしを受け、それらの歓迎に応える形で日本の婦人会からも、記念品が贈呈されました。
次の行程に向かう参加者を見送った後、別院正法寺においては、穀藏良尚師に国際布教師勤続50年の表彰状が授与されました。
婦人会国際交流会
両婦人会が改めて市内のホテルの会場に集合して開催された交流会では、日本の婦人会が準備したお香を使っての匂い袋つくりの会が行われました。日本で事前に研修や準備をされた日本の婦人会の方々の案内の下、数種類のお香を調合し、参加者がそれぞれ匂い袋を作製しました。同じ調合で作っても、微妙な分量の違いで少しずつ香りに違いが出るという、世界に一つだけの手づくりの匂い袋ができました。この交流会や、引き続き行われた懇親会では参加された婦人会の方々はさらに交流を深めた様子でありました。
日系移民慰霊諷経
全員が参加する行程中、パンチボール国立墓地では戦没者追悼諷経、マキキ日系人墓地では日系移民慰霊諷経がそれぞれ行われました。読経の前後には、移民という日本との深いつながりと戦争の歴史、日本の寺院の文化と現地に根ざした仏教の歴史、それら複雑な文化と歴史の交わりについて駒形総監より説明があり、日系移民と世界平和への思いを改めて巡らすひとときとなりました。平成30(2018)年は、明治元(1868)年から起算して満150年の年に当たります。日系人墓地の一角には、移民として明治元年にハワイへとやってきた方々の「明治元年渡航者之碑」が建立されており、碑に向かい手を合わせる参加者の姿もありました。
教化部長が特に視察と協議のため拝登したマウイ満徳寺では、近年、寺院敷地沿岸部の波による浸食が急激に進行しており、数基の墓石が海に流失したことが報告されました。寺院の理事会では、この問題への対策と寺院護持のため、専門家を交えた協議を行っているが、沿岸部の浸食はハワイ州全体が抱えている問題でもあるとのことでした。
今回の参拝ツアーでは、企画段階において、ハワイの寺院護持には欠かせない存在である婦人会の方々にお出迎えいただけることとなり、その結果婦人会の交流会開催の運びともなりました。参加者それぞれが、新しい発見をされたことが懇親会の席上などで窺い見ることができ、有意義な旅となりました。
皆さまのご協力の下、全員無事に帰国できたことに感謝申し上げ報告といたします。
(国際課記)