【International】曹洞宗国際センター創設20周年記念行事 英語翻訳版『伝光録』出版記念シンポジウム ―宗典翻訳事業の意味を問う―
来たる11月27日(月)、曹洞宗檀信徒会館三階「桜」の間を会場に、曹洞宗国際センター創設20周年、並びに英語翻訳版『伝光録』出版を記念し「―宗典翻訳事業の意味を問う― 」をテーマにシンポジウムを開催します。
曹洞宗の宗典経典翻訳事業では、これまでに『曹洞宗日課勤行聖典』、『曹洞宗行持軌範』を英訳・発刊してきました。このたび『伝光録』の翻訳作業が完了することを受け、出版に向けた最終段階に入っております。
1903(明治36)年に、ハワイや南アメリカへの移民の方々を対象として始まった曹洞宗の国際布教は、その後北アメリカにおいても展開され、それぞれの地域に日系寺院として建立されました。1960年代になると、北アメリカでは、若い世代を中心に禅の教えを求める現地の人々が日系寺院や日本人僧侶のもとに集い始めました。それは次第に〝禅センター〟という形態に成長し、そこから多数の僧侶が生まれ、活動するようになりました。そして、禅センターにおいて宗典や経典が独自に現地の言葉に翻訳され始めたものの、原意を正しく捉え、また注釈を記したものは当時は存在しておりませんでした。このことから、日本とアメリカの禅に関係する学者や禅センターの指導者による「曹洞宗宗典経典翻訳事業」が平成8年5月に発足されました。
曹洞宗国際センターは、英語をベースとした布教活動、僧侶の育成、檀信徒教化の充実を図るべく、平成9年4月にロサンゼルスに設置された「曹洞宗北アメリカ開教センター」を前身とし、その後平成14年に「曹洞宗国際センター」と改称されました。宗典経典翻訳事業はその曹洞宗国際センターの主たる事業の一つとなっております。
この度、改めて本事業の評価と翻訳の意味を問うことを目的として、シンポジウムを開催する運びとなりました。内容は、藤田一照国際センター所長による「曹洞宗国際布教の歴史について」と題しての講演に引き続き、シンポジウムでは、国内外において各種の翻訳事業に携わり、第一線で活躍するパネリストの方々をお招きし、翻訳の意義を問いたいと存じます。
また、会場ではハワイ、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパの各国際布教総監部管内における国際布教の歴史を視覚的にご覧いただくパネル展示や、大型モニターで各総監部管内の特色豊かな映像を視聴していただくよう計画しております。この機会に、ぜひ世界に広がる曹洞禅の一端に触れていただきたくご案内申し上げます。
本行事を契機として、宗典経典翻訳事業のみならず宗門の国際布教に、より一層の関心をお寄せいただき、1人でも多くのご参加をいただけましたならば幸甚に存じます。
なお、お申し込みは電話のほか、公式ホームページ曹洞禅ネットからも可能です。
お問い合わせは、教化部国際課までお願いいたします。
(国際課記)
【行事日程】
11月27日(月)
午後1時 開会
午後1時20分 講演
「国際布教の歴史について」 曹洞宗国際センター所長 藤田一照師
午後2時15分 シンポジウム
・パネリスト 東洋大学文学部東洋思想文化学科 渡辺章悟教授
京都女子大学講師 清基秀紀先生
曹洞宗総合研究センター所長 大谷哲夫師
前曹洞宗国際センター所長 奥村正博師
サラ・ローレンス大学 グリフィス・フォーク教授
・コーディネーター 藤田一照師