【International】国際課新規事業「ZEN class」開催―外国人のための英語による坐禅会―
現在、国際課では日本国内での国際布教に資するため、新たな事業に取り組んでおります。
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今後さらに訪日外国人が増え続けることが予測されています。日本を訪れる外国人の中には、日本の歴史や伝統といった文化を、身をもって体験したいと望んでいる方々が多くいらっしゃいます。
その様な期待に応えるため、教化資料の作成だけでなく、本年4月より曹洞宗檀信徒会館に宿泊する訪日客や近隣に居住する外国人を対象に、英語で指導を行う坐禅会を開催しています。
これまで、檀信徒会館で教化部企画研修課主催の坐禅会である「禅教室」が40年以上に渡り開催されてきました。今回新たな試みとして始められた英語の坐禅会「ZEN class」は、この禅教室に習い、月1回、同日に時間をずらして開催をスタートさせました。
より多くの外国人に参加していただけるよう、曹洞禅ネットでの告知のほか、檀信徒会館のフロントやロビー、近隣の駅構内の外国人観光案内所や港区役所地域振興課をとおして外国人の居住者などに告知を行っております。これまでの開催では毎回10名程度の参加をいただいておりますが、団体での参加について問い合わせがあることなどから、今後参加者の増加が見込まれております。様々な国や地域の出身者が参加しており、アメリカ、カナダ、タイ、インド、台湾、ロシア、イタリア、ハンガリー等々、まさに世界各地の方々に坐禅をする場を提供しております。
この坐禅会では、初めて坐禅をする方が無理なく坐相を調えることができるよう、ウォーミングアップの時間を設けています。普段の生活で凝り固まってしまった関節をスムーズに可動させるため一時間ほどかけて準備し、坐禅のかたちや呼吸、意識について説明しています。
このような、骨格を意識した坐禅へのアプローチや指導法について、日本語の教化資料「坐禅読本(仮称)」として交付することを予定しております。
なお、この坐禅会の様子は、英語版曹洞宗公式フェイスブックで公開しております。
ここ数年、海外での禅ブームを逆輸入する形で、日本でも多くのメディアで「禅」が取り上げられております。NHKなどのテレビ番組からも、ヨーロッパやアメリカでの坐禅会や禅寺の様子を取り上げたいという依頼を受けることが増えてまいりました。また、姉妹都市など海外との自治体間交流の際に、自治体側から宗門寺院が依頼を受け、外国人留学生などを対象に坐禅指導を行うということも増えているようです。
このような、外国人を対象とした坐禅会を行う際に利用していただける教化資料として、坐禅作法をイラスト入りで説明している「THE PRAC TICEOF ZAZEN」や椅子坐禅の仕方を説明する「I n s t r u c t i o n s f o r C h a i rZazen」などリーフレットの資料のほか、曹洞禅ネット多言語ウェブサイトでは、坐禅作法の映像資料「How todo Zazen」が公開されています。映像資料は英語のほか、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語、ドイツ語の字幕を選択することができます。これらホームページ上の資料を利用することで、外国語を話さなくても外国人に日本の禅の文化を紹介することができます。
また、坐禅会に限らず、寺院を訪れた外国人の方々に曹洞宗を簡単に紹介するカラーリーフレット「Sound ofZEN」の交付を今年度より開始いたしました。写真を大きく配置し、宗旨・教義・一仏両祖・坐禅・精進料理・両大本山等について簡潔に紹介しています。
ご寺院さまにおいても、外国人の方への対応や日本文化として禅の紹介を行う際、国際課で作成しております印刷物・映像・ホームページ等の資料を一層ご活用いただけますよう、さらなる充実を図ってまいります。
○「ZEN class」開催予定日 7月20日、8月24日、9月28日、
10月6日、11月10日、12月14日、1月10日、2月1日、3月1日
(国際課記)