曹洞宗婦人会だより~ミニ・きゃら~平成28年10月
皆さまにご心配とご協力をいただいております熊本の様子を、ボランティア委員会である熊本第2宗務所婦人会の村上幸己さんにお知らせいただきました。
熊本地震における実態と被災者とのかかわり
本年4月14日、16日の両日に亘り、震度七強の激震に見舞われ、余震の回数は既に2000回を超えています。
直後から青年会の皆さまは被災寺院の瓦礫撤去作業や小学校での炊き出しを行っておられました。私たち婦人会も何かできることはないだろうかと考える中、やはり余震がいつまでも続く恐怖と怯えながら生活している方々に寄り添いたいという想いが強く、行茶傾聴活動を行うことになったのです。
また、行茶活動においては、各管区の皆さまからたくさんのお茶・お菓子などの救援物資を提供していただき、さらに義援金も送ってくださり、感謝の念に絶えません。
しかし、問題も山積しています。私たちが仮設住宅へ訪問してみると、隣近所知らない人ばかりだというのです。隣の人との薄い壁や、話し相手のいない場所、しかも昼間は仕事に出かける方が多いので、ご年配の方ばかりが残されてしまいます。付近の人と一緒に何かする場所もありません。まさにストレスフルな生活を強いられています。
このような生活が続けば、心の拠り所がなくなる一方で心身の不調を抱えてしまうことは目に見えています。これが被災地の実態なのです。
その中で、私たちの行茶活動も含め、熊本市内の災害支援ボランティア全体が、行政からの指導により、8月末で一時休止を余儀なくされました。それ以降は、支援物資や義援金を活かす方法はないかと模索した結果、「慰問袋」をお配りすることになりました。袋の中に手作りの雑巾と刺繍糸で縫った布巾、お茶の葉と急須を添え、仮設住宅や避難所となっている場所へお届けしています。
私たち熊本・大分県民も、東日本大震災で被災された皆さまの強く生きて来られた姿勢を見習い、前を向いて立ち直ろうとしています。活動自体はささやかですが、お一人お一人の心に寄り添いたいと願っています。
平成28年10月
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曹洞宗宗務庁内
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