【International】総監の着任挨拶および北米・ハワイ檀信徒大会のお知らせ

2025.02.07

この度、2024年8月1日付でハワイ国際布教総監を拝命いたしました駒形宗二と申します。この職を引き受けるにあたり、曾祖父である駒形善教、祖父である駒形善秀、そして父であり師僧である駒形宗彦がハワイにおいて曹洞宗の国際布教師として尽力してきましたことについて深く思いを巡らせ、その重責を感じながらも彼らの足跡を辿り、ハワイ国際布教総監部第八代総監に就任できたことを大変光栄に思っております。今後も謙虚さと感謝の気持ちを忘れずに精進してまいります。

深川前教化部長からの総監任命辞令伝達の様子(右:筆者)

昨年6月に遷化した駒形宗彦前総監は、16年にわたる総監の任を献身的に努め上げました。

その4ヵ月後の10月12日にはハワイ国際布教総監就任式典、翌日には前総監の本葬儀が執り行われました。現在は総監の任を務めさせていただく感謝の気持ちと師を失った悲しみとが入り混じっておりますが、師が示したリーダーシップ、情熱、経験は、これからも私の中に永遠に残り続けます。また、師が残したレガシーは私の行く道だけでなく、ハワイにおける曹洞宗全体がハワイコミュニティの中で発展していく道も示してくださいました。

私自身、総監としての職務に加え、2005年よりアイエア太平寺の国際布教師を務めており、今後多くの課題に取り組み、ハワイにおける曹洞宗の発展に努めてまいります。

総監就任報告会での挨拶の様子

アイエア太平寺:発展とレガシーの調和

新たな門出を迎えましたが、アイエア太平寺国際布教師として長年取り組んできたプロジェクトを完遂することは、私の責任であり同時に期待も感じております。

アイエア太平寺では、「アイエア曹洞宗アクティビティセンター」建設プロジェクトに取り組んでおり、寺院を経済的側面と精神的側面からの継続可能に発展できるよう注力しています。

このプロジェクトは2025年の完成を予定しており、坐禅堂、シニアデイケアセンター、そしてコミュニティのための会議スペースなどが設けられる予定です。

このアクティビティセンター建設にあたり「太平寺レガシー基金」を設立し、20年の投資計画を実現いたしました。この資金は投資者への年間3%の利息を提供しつつ、寺院の施設改修や開発または教団の長期的な持続可能性を支援していきます。私たちのコミュニティの未来において重要な役割を果たすことを期待しております。

両大本山布哇別院正法寺:継承と取り組みの強化

ハワイにおける国際布教は、120年以上の長きにわたる歴史と伝統を受け継いでいます。新たな役職に就くにあたり、このレガシーを未来の世代へと継承していくことの重要性を強く感じております。現在の檀信徒の皆さまに奉仕を続けると同時に、寺院の長期的な持続可能性を見据えた計画を立てることが不可欠です。寺院が今後も安全で心温まる場として、世代を超えて多くのメンバーに受け入れられるように、左記のことに重点的に取り組んでまいりたいと思います。

  ・寺院本堂の改修

  ・武道場の再開

  ・社交ホールと茶室の改修

  ・訪問者向けのレストランおよびカフェの開設

  ・寺院図書館の設置

  ・僧侶のための新しい住居の建設

  ・ 坐禅と芸術のための新しいアクティビティセンターの建設

以上の取り組みが完了するまでには数年を要しますが、これらがもたらす可能性と、ハワイにおける曹洞宗の未来に大きな期待を抱いています。

ハワイにおける曹洞宗コミュニティの支援強化と育成

このような物理的なプロジェクトにとどまらず、ハワイ全土の寺院における精神的かつ共同体としての曹洞宗を生活の中に育んでいくことに尽力してまいります。ハワイのサンガの強さは、仏教の教えに対する僧侶たちの献身によって支えられています。各寺院を定期的に訪問し、僧侶たちとオープンなコミュニケーションを維持しながら、必要に応じて支援と指導を行っていく予定です。

また、2025年10月23日から26日にかけて、総監部管内寺院で開催される第10回北米・ハワイ檀信徒大会は、私が総監として務めさせていただく初めての行事となります。このイベントには、全米および世界中から曹洞宗の僧侶、檀信徒が参加予定です。今回は従来の形式とは異なり、30以上の多彩なクラスやアクティビティを提供し、参加者自身が興味のあるものを自由に選べるように工夫いたしました。また、地元の曹洞宗寺院やハワイ・プランテーション・ビレッジといった歴史的な場所を訪れることで、ハワイの美しさと文化を皆さまと分かち合いたいと考えております。

教えと法を深める実践

これらの数々の計画の中で、私たちの最終的な目標は、曹洞宗の教えをさらに深めることです。コロナ禍以降、オンラインによる勉強会を開催し、お釈迦さまから代々伝わるところの戒律を中心とした学びにより、仏教徒としての意識の向上に尽力してまいりました。今後さらに仏道への誓願を一層深めて、再確認するために2028年に授戒会を開催したいと考えております。

授戒会修行までの期間、さらに教えの理解を深めることに注力し、特に坐禅と四摂法の実践に取り組んでまいります。

これらは単なる理想ではなく、私たちが互いに助け合い、共に歩むために実践できる行動そのものです。

ご支援のお願い

これらのプロジェクトに取り組み、檀信徒と共にハワイにおける曹洞宗がさらに発展していくためには、皆さまからのご支援が必要不可欠です。我々の活動へご参加、ご寄付、あるいはハワイにいらした際にお寺に訪問していただき気にかけていただけるだけでも、皆さまとのつながりを強く感じることができ、我々の励みになります。皆さまとの関わりがあってこそ、ハワイにおける曹洞宗は世代を超えて繁栄し続けることができると信じております。

皆さまの温かいご支援に心より感謝申し上げ、いつの日かハワイに訪問していただけることを楽しみにしております。

ハワイ国際布教総監 駒形宗二