【International】とどけプロジェクト 令和6年能登半島地震被災者への寄贈報告

2024.10.15

「とどけプロジェクト」とは、宗務庁がSDGsの観点から行っている、日本国内で使われていない法衣や着物、作務衣等を、ハワイ、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパに所在する各国際布教総監部、及び国際センターを通じて、海外の寺院や禅センターへ届けるプロジェクトです。令和三年度の開始以来、このプロジェクトにより、日本国内寺院さま108ヵ寺と法衣店さま3店のご協力を得て、計5,486点(令和6年8月31日時点)の品々が宗務庁に寄せられ、海外の多くの寺院や禅センターに届けることができました。その品々には、衣類だけではなく未使用の仏具等もあり、受け取った方々より感謝の声が日本に届いております。この場をお借りして、ご協力いただきました皆さまに御礼を申し上げます。

国際インフォメーション7月号でもご報告いたしましたが、本年4月21日から23日までの3日間、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師七〇〇回大遠忌を記念し、曹洞宗国際センター主催による両大本山拝登ツアーを実施いたしました。

最終日には、曹洞宗檀信徒会館5階研修道場で「世界曹洞禅交流会」が開催され、交流会では参加者が自国より持ち寄った特産物等を販売する「チャリティーバザー」に加え、先述の「とどけプロジェクト」によって集まった法衣等を直接持ち帰ることができる譲渡の会も行われました。同会場には、令和六年能登半島地震の被災者支援のための募金箱も設置され、それらの収益金は「曹洞宗義援金」に寄託いたしました。

宗務庁では、この「とどけプロジェト」の趣旨を海外に向けた取り組みとしておりましたが、今般の地震被害を受けまして、本年6月、被災地となる石川県宗務所さまのご協力を得て、法衣や着物、足袋など、段ボールにして9箱を当該宗務所宛に送付させていただきました。同プロジェクトによって届いた品々は、宗務所主催の行事や会議の際に管内の宗侶やそのご関係者に届けていただきました。このプロジェクトにより、7月20日に大本山總持寺祖院で開催された復興祈願・物故者追悼法要に随喜された全壊寺院住職にも法衣が届いたとの報告をも受けております。被災地では、一日も早く法衣を着て法要儀式を行うことができると大変喜ばれているとともに、「世界中から応援されている」、「決して一人ではない」という気持ちを持てた、とのお声もいただいております。

今後の「とどけプロジェクト」の事業は、届け先を日本国内にも広げ、特に自然災害や火災等によって甚大な被害を受けた寺院や所轄する宗務所からの要請があれば、法衣や着物などを迅速に届け、復興支援の一助としていただきたく考えております。引き続きご協力の程よろしくお願い申し上げます。

 教化部国際課 記