【International】大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌記念 両大本山拝登ツアー催行報告

2024.07.19

曹洞宗国際センターでは令和6年4月21日から23日の3日間、両大本山拝登、並びに大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌焼香師法要を行うツアーを実施し、日本国内外から93名の宗侶や参禅者の方が参加されました。  日本国外の方々にとって両大本山への拝登の機会はとても少なく、国際布教師においても、瑞世を最後に拝登したことがない方が多くいます。当センターでは、この素晴らしい法縁を感じていただきたいという思いから、これまでも大遠忌などにあわせてツアーを実施してまいりましたが、この度は初めての企画として両大本山への拝登といたしました。

第1日目  集合場所である福井駅には予定の1時間前には、ほとんどの参加者が参集しており、ツアーへの大きな期待を感じました。

大本山永平寺拝登  永平寺到着後、はじめに吉祥閣大講堂で西田正法副監院よりご挨拶いただき、英語による諸堂拝観を行いました。英語が堪能な本山関係者にご案内いただき、参加者は不自由なく山内を拝観することができました。

集合写真撮影の後、中西道信後堂より「永平寺の坐禅と修行」に関してのお話をいただき、15分ほどではありましたが、全員で坐禅を行い、永平寺を後にしました。

4時間ほどの滞在でしたが、インターネットや本では感じることのできない、大自然に囲まれ、澄みわたる空気と、日々の修行に励む雲水の厳かな雰囲気に、道元禅師が開かれた永平寺を参加者は存分に堪能された様子でした。  宿泊先のホテルでは懇親会が開かれ、世界各地から集まった曹洞禅の仲間と交流いたしました。

 

第2日目
大本山總持寺拝登

 2日目は新幹線で金沢駅から東京駅へ向かい、到着後バスで總持寺まで移動しました。大人数での駅構内の移動や、新幹線の乗降車による遅延が懸念されましたが、スムーズに進むことができました。

永平寺と違い、市街地に忽然と現れた總持寺の伽藍、境内地の広大さに参加者の中にはとても驚かれている方がいらっしゃいました。

總持寺では、大遠忌局をはじめ、多くの方々にお出迎えいただき、三松閣大講堂で、ゲッペルト昭元国際室主事によるオリエンテーションを受けました。その後、總持寺で安居されたブラジル出身の宗侶2名による諸堂拝観が行われ、参加者は終始真剣なまなざしで案内を聞いていました。

薬石後、大講堂で大山文隆維那より、瑩山禅師についての講義が英語で行われ、正伝の仏法が日本国内各地、そして世界各国へ如何にして広がっていったのかを学ぶ良い機会になりました。

 

第3日目
焼香師諷経

最終日の3日目は衆寮での暁天坐禅から始まりました。その後、法堂で朝課に引き続き焼香師諷経が二座、小食後に二座、修行されました。国際布教総監部が所在する、ハワイ、北アメリカ、南アメリカ、そしてヨーロッパの各地域の計4名の焼香師が瑩山禅師のご遺徳を偲び、香を焚かれました。

ツアー以外の参加者を含む約130名は、壮大な大祖堂で厳粛に修行される法要に随喜し、祖師方の大いなる足音を聞くことができたのではないでしょうか。

法要後の記念撮影には石附周行紫雲臺猊下、渡辺啓司監院にもご参列いただき、参加者は禅師さまのお優しい表情に相見することができ感激していました。

 

世界曹洞禅交流会

總持寺を後にした一行は、檀信徒会館5階研修道場で世界曹洞禅交流会に参加しました。服部秀世宗務総長をはじめ内局の皆さま、宗門関係者が一堂に会し、国・地域を越え一仏両祖のみ教えを実践する仲間として、ともに喜びを感じることができる場として当交流会が計画されました。

はじめに世界平和祈念大法要を服部宗務総長の導師により修行し、その後に「女性の担う役割、瑩山禅師の与えた影響」をテーマにゴッドウィン建仁国際センター所長が基調講演を行いました。また、チャリティーバザーやとどけプロジェクト(日本で使われていない法衣を全国から集め、海外の方がたへ届けるプロジェクト)を併催し、参加者から寄せられました145万7980円は全額が「曹洞宗義援金」に寄託されました。

参加者全員が世界に広がる曹洞禅を感じ、交流できる場となりました。さらには宗務庁内の見学を実施し、宗務行政への理解をいただき、全日程が無事に円成しました。

この度のツアーは、祖師がたを近くに感じることができる場所、それが両大本山であると考え計画いたしましたが、参加者からは「参加してよかった、一生に一度の経験ができた」などの言葉を多くいただきました。この度のツアー開催にあたり、大本山永平寺さま、大本山總持寺さまをはじめご協力いただきました関係各位に御礼申し上げ、この度の大遠忌から広がる法縁が、さらに次の大遠忌へと相承されることを祈念し、当国際センターからの報告とさせていただきます。

檀信徒会館での記念撮影

  教化部国際課 記