【International】ハワイ国際布教120周年記念行事並びにマウイ島被災地慰霊訪問報告
2023年10月22日、アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市の両大本山布哇別院正法寺において、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌予修法要が行われる吉辰に併せてハワイ国際布教120周年記念慶讃法要が執り行われました。
本宗のハワイにおける布教活動は、明治36(1903)年3月19日に広島県出身の河原仙英師がハワイ・ホノルルに到着、後の大陽寺となるオアフ島ワイパフのサトウキビプランテーションを拠点として、布教活動を開始したことを嚆矢とし、本年で120周年を迎えました。その後、カウアイ島、さらにはマウイ島やハワイ島などにおいても寺院が開かれハワイでの布教が展開されていきました。
ハワイの10月下旬の気候は日本の初夏を思わせ、さわやかな風が吹きぬけながらも蒸し暑さが入り混じるような季節といえます。
10月21日には記念法要に先立ち、ハワイの曹洞宗寺院連盟の秋の会議がホノルル市の両大本山布哇別院正法寺において開催されました。この会議はハワイの曹洞宗寺院の国際布教師と信徒代表が参集して年2回開催されています。講演ではゴッドウィン建仁国際センター所長が「ハワイ国際布教120周年について」をテーマに、曹洞宗の教えが日本からハワイへ、そして北アメリカに伝播したことについてお話をされました。
翌22日には正法寺を会場に記念法要が執り行われました。
ハワイ国際布教師・寺族・檀信徒物故者諷経を駒形宗彦ハワイ国際布教総監が勤められ、読経中には参列者一同が心をこめて焼香し、パイオニアの方々をはじめ物故者の遺徳を偲びました。
続いて、ハワイ国際布教120周年記念慶讃法要をゴッドウィン建仁国際センター所長の導師により厳修されました。Vandana Ti-Saranaを参列者一同で唱和後、導師は法語を英語で唱えられ、120年の労苦を偲ぶとともに益々のハワイでの活動の発展を祈念されました。
23日には大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌予修法要を勤めるために、来布されていた深川典雄教化部長がマウイ島ラハイナ山林火災被災地を慰霊訪問されました。マウイ満徳寺で慰霊法要を勤められたのち、曹洞宗宗務庁、SOTO禅インターナショナル、曹洞宗宗務庁課長会からの義援金を、マウイ仏教連盟会長村上信海師、被災されたラハイナ浄土院住職原源照師に渡されました。なお、この義援金は被災された日系寺院3ヵ寺に分配され日系社会復興のために使用されるとのことです。
その後、原師より被災時の状況をお話しいただき、火災が海のそばであり、ここまで被害が大きくなるとは誰も予想できなかったため避難が遅れてしまったこと、火災時は風が強く消火活動のヘリコプターが出勤できなかったことなど、多くの不運が重なってこのような大規模な火災になってしまったと説明いただきました。
被災から2ヵ月以上たった現在も被災地には許可無しには戻ることができず、原師も納骨堂の遺骨を回収するために数回戻れただけとのことでした。
最後に、深川教化部長より励ましの言葉を掛けられた原師は感謝の言葉と共に、この訪問が日本の方々にラハイナの現状を知っていただく良い機会になってほしいと述べられていました。
ハワイでは、引き続き曹洞宗ハワイ国際布教125周年記念行事を5年後に行う予定です。その際は多くの方にハワイに足を運んでいただけることを願うとともに、地域のコミュニティに根付いた幅広い活動を展開し、更なるハワイにおける曹洞宗の発展のために尽くしてまいりたいと存じます。
ハワイ国際布教総監部 記