【人権フォーラム】大本山總持寺主催 曹洞宗被差別戒名物故者諸精霊追善法要厳修
2022(令和4)年6月16日、大本山總持寺主催で曹洞宗被差別戒名物故者諸精霊に対する追善供養が大本山總持寺貫首石附周行禅師御親修により修行されました。
当法要は、大本山總持寺においては1984(昭和59)年から、厳修されてきました。2008(平成20)年からは、両大本山が交互に主催しております。また、この法要に先立ち5月23日に法要の意義と人権に関する学びを深めるため大本山總持寺集中人権学習が開催されました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、過去2年間は内勤による修行でありましたが、今年は3年ぶりに来賓を招いての開催となりました。部落解放同盟関係者、関東「同宗連」、大本山永平寺御専使、関東管区内宗議会議員及び宗務所役職員、関東管区教化センター統監、大本山總持寺人権問題専門委員、宗務庁内局と例年より参列者を限定、法要終了後に例年行われていた講演会も中止し、感染症対策を徹底した上で執り行われました。
法要は10時30分打ち出し。大本山總持寺貫首石附周行禅師が上殿し、拈香法語を述べられました。続いて『修証義』を遶誦し、参列者の焼香が行われ、回向へと続きました。終わって石附禅師より、「被差別戒名の法要の導師を務めさせていただいたのは、今回初めてでございました。祭壇の中央にはお位牌をお祀り申し上げたわけでございますが、そのお位牌を通して被差別戒名が刻まれた石塔を思い浮かべないわけにはまいりません。過日、あの石塔を目の当たりにいたしました。長い伝統の中で、曹洞宗は人権に対する取り組みを進め今日に至っておりますが、しかし、振り返るとこのような過ちがあり、なおそれをお参りしながら次へ次へとやはり伝えていくことが、この大事な人権の大きな問題を受け止めるということではなかろうかと思います。」
とご挨拶をいただきました。
法要終了後、侍局において石附禅師、渡辺啓司監院と部落解放同盟関係者による懇談会が行われました。部落解放同盟の中央執行委員長を長きにわたり務められ、法要に参列されていた、組坂繁之氏の勇退に伴い、6月9日の部落解放同盟全国大会において新たに後任に選出された西島藤彦氏が同席されました。昨年10月に新貫首に就任された石附禅師、西島中央執行委員長、お2人にとって、初めての被差別戒名物故者諸精霊に対する追善法要となりました。
懇談会においては、まず西島委員長より新委員長就任の報告がありました。その中で全国水平社創立百年に触れ「百年経った今も、残念ながら差別が完全になくなったかといえば、決してそうではない。未だ差別がなくならないことにもどかしさを感じながらも、一日も早く差別を撤廃し、差別のない世の中が訪れるように引き続き強く行動していかなければならない」と決意をにじませておられました。
続いて渡辺監院より、石附禅師が新貫首にご就任された後、できるだけ早く被差別戒名物故者それぞれのみ霊に慰霊の想いを届けたいと念願され、6月13日に長野県上田市長福寺の被差別戒名三界萬霊塔合祀墓地及び彩の森霊園に赴き、被差別戒名物故者諸精霊の慰霊法要を墓前にてお務めになったことが報告されました。
その後、しばし歓談の後、懇談会は終了し、すべての日程が終了いたしました。
人権擁護推進本部 記