【人権フォーラム】2022(令和4)年度 教区人権学習会開催のお願い
人権学習視聴覚映像 ここから~東日本大震災から10年~
2022(令和4)年度教区人権学習は人権学習資料『ここから~東日本大震災から10年~』を視聴いただくことで学習会をすすめていただきたいと企画しました。
東日本大震災より十年となる岩手県、宮城県、福島県を取材し、被災地の「あの時」から「今」までのこと。そして、ずっと続いて行く「ここから」のことを五十五分程度の映像にまとめました。
取材に応じていただいた方々からは「被災地の今を伝え、ここ(被災地で、今)から何ができるか」を言葉にしていただいております。そしてその思いに触れた方々が、全国どこからでも「自分の住んでいる場所から、今、何ができるか」を問う教材になってほしいとの思いで作成されました。
今回の映像では、曹洞宗東日本大震災災害対策本部復興支援室分室や被災地域における現地寺院の取り組み、現況等を取り上げ、過去に後述の「ふくしま故郷再生プロジェクト」で取材した寺院を始め、寺院住職、檀信徒、被災者、災害時に地域の僧侶と協力した行政の方の声を重ね、被災地の復興に実地で取り組んでこられた方々からの事例報告から、復興しつつある被災地の姿や課題、これからの展望をうかがう内容となっております。
人々の命に向き合うとは何か、被災地域の人権問題をテーマとして取り上げる中で、それぞれが「祈り」「手を合わせる」3・11の14時46分に鳴鐘していただき、各寺院で檀信徒と共に祈りを捧げ、東日本大震災、被災地域の人々を忘れず心に刻み続けるとともに、自らの「行動」につなげていけるようにとの願いが込められております。また、人権学習教材として広く檀信徒や一般の方にもお見せできるよう、ナレーションや僧侶の敬称を一般向けの言葉遣いにしております。
作成経緯
人権擁護推進本部では、「ふくしま故郷再生プロジェクト」事業として、被災の危機的な現実に関して、従来の災害救援・支援の取り組みに加えて、2011年6月の第113回通常宗議会宗務総長演説での、「現地に赴き、(東京電力福島第一原子力発電所の事故による)被災状況と現地の人々との対話と交流を通して、実態の把握に努める」旨の基本方針から出発いたしました。その後、福島県宗務所の役職員の方々とも協議を重ね、「ふくしま故郷再生プロジェクト」として現地の聞き取りを開始することになりました。
福島の抱える様々な問題を人権問題として扱うことに、様々な評価やご意見もあろうかと思います。しかし、基本的人権の保護が社会の責務なのだとすれば、被災者であれば人権が制限されても仕方がないとするわけにはいきません。想定外の事態が起こった「あのとき」は仕方なかったとしても、「ここから」先の社会も同様に仕方のないままということではないのです。
特に福島県内の寺院、檀信徒、地区の住民の皆さまが被っている事柄を、極めて深刻な人権侵害(生存権・自由権・社会権の侵害・剥奪・不当な制限)と捉える中で、このプロジェクトを通して、被災地域の寺院住職や檀信徒の声をしっかりとお聞きし、それらの情報やご要望を復興に活かすべく、活動を継続してまいりました。さらに、津波による大きな被害を被った岩手県、宮城県の現況をあわせて取材させていただきました。
資料概要
今回の映像は、第1章~3章とまとめの四部で構成されています。各章の概要は次のとおりです。
第1章 鎮魂と希望
~被災地は今~
東日本大震災という未曽有の被害と喪失に直面した人々は何を感じ、誰とつながり、何をしたのか。岩手県大槌町、福島県南相馬市、宮城県山元町。僧侶、檀信徒、それぞれの「あの時」「今」「ここから」をうかがい、歩いてみました。
第2章 気づきと学び
~被災地支援の現場から~
曹洞宗東日本大震災災害対策本部・復興支援室分室の活動を行茶参加者や社会福祉協議会職員とともに振り返る。復興支援の現場で、何ができたか、できなかったか。そこから考える「平時」「非常時」、そこから見えてきたものは。
第3章 未来に向けて
~子どもたちと震災~
子どもたちやその家族のサポートを続けるNPO法人「ビーンズふくしま」。被災した子どもたちが抱える問題と心のケアについてのお話と、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館で震災の記憶と教訓を伝える「語り部」活動をする中高生たち。彼らが未来へと「伝えたい」体験と想いとは。
「終わりに」
ご自身が被災者でもある鬼生田俊英宗務総長にお話を聞く。震災から一〇年が過ぎた今、そして、「これから」を生きていくために必要なこととは。
なお、4月中旬を目処に教区長宛に教区寺院数分のDVDを送付させていただきます。また、曹洞禅ネット寺院専用サイトでの映像の公開も予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
資料を追加で希望される場合や、ご不明な点につきましては、人権本部までお問い合わせください。
曹洞宗人権擁護推進本部
℡03―3454―3546(直)
人権擁護推進本部記