梅花のこころ~梅花流詠讃歌~ 「同行御詠歌(道交)」
毎月発行の『禅の友』では「梅花のこころ~梅花流詠讃歌~」と題しまして、梅花流詠讃歌の曲をもとに、解説や執筆者の想いなどを紹介しています。今月は梅花流特派師範 山形県 長泉院 石川茂稔による「同行御詠歌(道交)」のお話です。
うれしくも釈迦の御法にあふひ草
かけてもほかの道は踏まめや 踏まめや
「同行御詠歌(道交)」
12月8日はお釈迦さまがお悟りになられた日です。成道会といい、私たち仏教徒にとって大切な日です。そのお悟りを人々に説くため、お釈迦さまはその後、45年の人生を布教活動に捧げました。熱心な活動の結果、やがてお釈迦さまを慕う人々が集まり、大きな組織が生まれました。それを僧伽と呼びます。
梅花講は、お釈迦さま・道元禅師・瑩山禅師の教えに出会う僧伽です。そこには詠讃歌を縁に集まった仲間がいます。教えに触れ、ともに学ぶ喜びがあります。
講活動の中で、曲を習得することはとても大切なことですが、同じように大切にしているのが「お茶」の時間です。会社や地域・家庭での出来事など、様々なことが話題に上ります。同行同修の仲間ですから何でも気兼ねなくお話ができ、ともに笑い、涙し、励ましあって心の重荷を下ろしていきます。この時間を楽しみに来てくださる方も多く、「今日も楽しかった」と笑顔で帰って行く姿に私もうれしくなります。何気ないひとときですが、講活動の大きな魅力の一つです。
この御詠歌の曲名である「道交」には、詠道を共に歩む仲間が講の中で交わりを深めるという意味があります。
「この世ですばらしい教えに出会うことができたのだから、生涯この教えを心の柱として全うしたいと思う。他の道を踏み行うことなどあろうか、誓ってありはしない」という、よろこびと決意を詠った御詠歌です。歌詞は「佛教」という詞書がなされた道元禅師の和歌ですが、お唱えするたびにお釈迦さまをお慕いする道元禅師の御心に胸が熱くなります。
さあ、仲間とともに一緒にお唱えしませんか。