梅花のこころ~梅花流詠讃歌~ 「修証義御詠歌(伝心)」
毎月発行の『禅の友』では「梅花のこころ~梅花流詠讃歌~」と題しまして、梅花流詠讃歌の曲をもとに、解説や執筆者の想いなどを紹介しています。今月は梅花流特派師範 山形県 長泉院 石川茂稔による「修証義御詠歌(伝心)」のお話です。
よもすがら終日になす法の道
みなこの経の声とこころと
「修証義御詠歌(伝心)」
『修証義 』は、1890(明治23)年12月1日に制定公布され、現在では曹洞宗の重要な経典として位置付けられています。
曹洞宗の教えの根幹となる四大綱領( 懺悔滅罪・受戒入位・発願利生・行持報恩)という教えが配され、第一章を「総序」として全五章で構成されています。
この御詠歌は、道元禅師が「法華経」について詠まれた和歌五首のひとつです。
大意は「昼にも夜にも、一日中、み仏の教えに心を照らして生活していると、周りのすべてが、み仏の声であり、教えであることがわかります」という意味です。
「仏の道」を説く『修証義』にふさわしい歌として採用されました。
日々の暮らしの中で、坐禅をして心を調ととのえること、詠讃歌をお唱えすることなど、教えを実践する「修」がさとりという「証」そのものだと説きます。
本堂の前で静かに座っている姿や、一心に手を合わせる姿をみるとその清澄さに感銘いたします。一片の汚れもない姿に仏さまを重ねるのでしょう。周りの人の心まで清めてしまいます。
詠讃歌を習い始めたばかりの初心者であっても、ひたすら教えのままにお唱えし、日々を笑顔で明るく過ごすだけで、そこには「私もこの人のように、明るく日々を過ごしたい」と思わせる力があります。周りの人々をも幸せな気持ちに導いてゆくことができると思うのです。
お唱えすることで、み仏の智恵と慈悲を伝えて行けたら素敵ですね。
さあ、明るく素直な心で、一緒にお唱えしましょう。