【人権フォーラム】2019年度 教区人権学習開催のお願い
昨年度の教区人権学習会では、「『障害者差別解消法』を知っていますか―共に生きる社会に向けて―」という資料をもとに、2016(平成28)年4月に施行された、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称「障害者差別解消法」)の中で定められている、障害者に対する「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」について学習していただきました。
また、各教区からの実施報告書に記載されていた参考となる事例や意見については、2018(平成30)年7月号の『曹洞宗報』より2019(平成31)年3月号まで掲載し、共有させていただいております。
今年度は、その学びを深め、実践につながることを期して作製した、「誰もが安心安全に来られる寺院にしていくために~障害者への合理的配慮を入り口として~」という資料をもとに、学習会を進めていただきます。
学習会の趣旨
資料の4頁で次のように述べています。
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「障害者に優しいお寺」は、みんなに優しいお寺になる
このテキストでは、「誰もが安心安全に来られる寺院にしていくために」をテーマにしました。
「お寺は敷居が高い」とよく言われますが、障害者に限らず、高齢者、病気の方、お腹に赤ちゃんがいる方、小さな子どもを持つ親など、お寺に来たくてもなかなか来られないという方は、実は少なくありません。「正座が出来なくなったから」「階段が上がれなくなったから」「子どもが騒ぐと迷惑をかけるから」と、大切な方のご供養に参加することを諦めてしまう方は少なくないのです。
私たちが目指したいのは、単に「障害者の差別解消」に留まらず、多くの方が安心・安全に来られるお寺にしていくことです。そのためにはまず、一番障壁の多い「障害者」に目を向け、そこから広がる「多くの方にとって居心地の良い空間」を考え、少しずつでも実現したいと思っています。
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そもそも「障害」とは何か、どうしたら障害者に優しいお寺は実現できるのか。共に、何ができるか考え、できることから実践してまいりましょう。
学習会の進め方
各教区長宛に、今年度の「教区人権学習会開催要項」をお送りしておりますので、参考にしていただきながら、お進めください。
開催要項には、学習会の進め方として、2つのパターンを掲載いたしました。
【パターン1】
資料を読み進めながら、開催要項に示されている大切なポイントを押さえていく進め方です。その上で、障害者がお寺に訪ねてくる状況を想像して、次の問いについてグループ会話をしていただきます。
・ 問一「自分のお寺では何が障害(障壁)となっているか(いたか)」
また、安心安全な寺院作りに向けて、次の問いについてグループ会話をしていただきます。
・ 問二「いまの自分にもできそうなこと(実践したこと)」
グループ会話終了後、改めて、資料を読み進めながら大切なポイントを押さえていきます。
【パターン2】
少人数のグループで意見交換をしていく学習の進め方です。(曹洞禅ネット内の寺院専用サイトに補足資料があります)
はじめに、「誰もが安心安全に来られる寺院にしていくために~障害者への合理的配慮を入り口として~」の次に掲げる各頁を輪読していただきます。
・学習会の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1~4頁
・「障害者」の表記について・・・・・・・3頁と18頁
・障害は「どこ」にあるのか?・・・・・21頁
・合理的配慮について・・・・・・・・・・・・・22頁
次に、4人(人数に応じて3~5人)で一つのグループを作り、進行役を決めます。講師から示されるテーマについて、それぞれが考えたことを、できるだけ多く付箋紙に書いていきます(一つの付箋に一つの意見)。書いた付箋は模造紙に貼り付けておきます。
付箋への書き出しが終わったら、班の進行役が促して、それぞれが順番に、付箋紙に書いたことの補足説明をしながら班の皆で意見を共有します。
このとき、他者の意見を尊重すること(否定しないこと)がルールです。
全員の説明が終わったら、班の中での進行役が似た意見の付箋を集めて一つのまとまりにし、それについてグループでさらに話し合います。
班の意見交換の中で、新たな気付きが生まれたら、模造紙に直接書き込みます。
その後各班でどういうことが話し合われたか、発表を行います。
以降、テーマに沿って同様に進めていきます。
最後に、参加者全員で一つの輪になり感想を述べ合います。
基本的な話し合いのテーマはパターン1と同様ですが、時間がある場合を考えて、その他のテーマも提案しました。それ以外にも、寺院等における現場での気付きや疑問についてお話しいただくと、議論が深まると思います。
・ 問一『自分のお寺では何が障害(障壁)となっているか(いたか)』
・ 問二『いまの自分にもできそうなこと(実践したこと)』
その他のテーマ案
・「障害者」という表記について
・ お寺に来られる「人」とは誰か
・ どうしたら障害者への声掛けができるようになるか
・ 地域にある「障害」はないか
・ 恒期法要における「障害」
また、パターン2で学習会を進めていただくための参考資料を、曹洞禅ネット〈寺院専用サイト〉に掲載しております。パターン2のイメージを写真つきで説明しておりますので、よろしければ参考にしてください。
なお、昨年度は、資料を4月号の宗報に同封して送りましたが、今年度は教区長宛に教区寺院数分を送付させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
資料を追加で希望される場合や、不明な点につきましては、人権本部までお問い合わせください。
※お問い合わせ
曹洞宗人権擁護推進本部
℡03-3454-3546
(人権擁護推進本部記)