【International】ヨーロッパ紹介動画 ~世界に広がる曹洞宗ヨーロッパ編~

2019.05.09

世界に広がる曹洞宗を紹介する動画として、これまでにハワイ、北アメリカ、南アメリカの動画が公開されてきましたが、このほどそのシリーズの最新作となるヨーロッパの二本の動画を公開いたしました。


一本目の動画「禅の種をまく」は、ヨーロッパにおける曹洞宗の歴史を紹介するもので、1967年に弟子丸泰仙初代ヨーロッパ総監が布教を開始して以来の半世紀を、当時を知るヨーロッパ国際布教師のインタビューの証言をもとに構成しています。弟子丸師を慕った国際布教師の数々の証言からは、強い意志と包容力のある人物像が浮かび上がってきました。当時、好奇心に満ちた若い参禅者を相手にエネルギッシュに布教活動をされていた様子が、当時の写真や映像にも記録されており、ヨーロッパの禅の布教の黎明期の活気が偲ばれます。
ヨーロッパは他の三ヵ所の総監部管内とは異なり、いわゆる日系人寺院は存在しません。当初から坐禅の布教が中心となって曹洞禅はヨーロッパ中に広まりましたが、禅は日本文化の一つであり、日本文化を抜きに禅はあり得ないという理由から、和太鼓、尺八など、日本の各種の伝統文化とともに禅が布教されるようになってきたことも最近の傾向です。


二本目の動画「ZENのあるくらし」は、ヨーロッパの曹洞宗の現在の様子を、寺院のさまざまな活動や僧
侶・参禅者のインタビューを通して紹介しています。ヨーロッパの禅を特徴づけるものは、日常生活の中に溶け込んだ坐禅です。朝、出勤前に禅センターに行き、坐禅をし、朝のお勤めをし、お粥をいただいて仕事に出かけます。このような光景がヨーロッパのあちこちの都市で見られ、実に自然に日常生活の中に坐禅の時間が置かれています。この動画のタイトルを「ZENのあるくらし」としたのはそのためで、社会の人々と禅の生活が交錯する様子をとらえようとしました。
坐禅や法要、作務などの禅寺での体験についてのインタビューからは、坐禅の心と日常生活の間に分け隔てがなく、日常生活の中で禅を行じる人々の様子が見て取れることと思います。
「ZEN」という単語は「静かな」「落ち着いた」といった意味の言葉としてヨーロッパ諸言語に定着しつつあります。これは曹洞宗の只管打坐・即心是仏の坐禅が世界に展開するとともに、人々の日常生活の中にまで「ZEN」という概念が定着したがゆえの現象といえましょう。
曹洞禅の遥かな旅路はまだまだ続き、今も新しい人々、新しい場所へと伝えられています。機会がありましたらぜひ現地へ赴き、その異国の禅の風に直に触れていただきたいと思います。


本動画は公式サイト・曹洞禅ネットの他、YouTubeで配信しておりますのでパソコン、スマートフォンからの視聴が可能です。ぜひ僧侶や檀信徒の方々の研修会の教化資料としてご活用ください。
最後に本動画の作製、公開にあたりご協力をいただきました皆さまがたに対しまして、心より感謝申し上げます。

(ヨーロッパ国際布教総監部記)

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