【International】真珠山アイエア太平寺創立100周年記念行事報告

2019.02.04

昨年11月3日・4日の2日間にわたり、ハワイ州オアフ島において、アイエア太平寺創立100周年記念式典法要、駒形宗二国際布教師の晋山結制、並びに首座法戦式が行われました。太平寺はアイエア市の中心に位置し、ダニエル・K・イノウエ国際空港、アメリカンフットボールスタジアムに隣接する、沢山の地元住民で賑わう場所です。
オアフ島に存在する4ヵ寺の曹洞宗寺院の中で太平寺は歴史が1番新しく、メンバー数も最も少ない寺院であり、100年前にお寺が建立された当時は、辺り一面にはサトウキビ畑が広がっていました。そのような環境の中でお寺が一世紀も続くとは当時の日本人移民の方々も想像すらできなかったのではないでしょうか。
こうして100周年の節目を迎えられたことは、日系人メンバーだけでなく、アイエアに住む多くの方々にとって太平寺が必要とされている何よりの証明であり、大変喜ばしいことです。
現在アイエア太平寺は太鼓、剣道のクラスをはじめ、日本文化の講座をいくつも持っており、日系人だけでなく地域に暮らす多くの方々に親しまれています。そして国際布教師を務めている駒形宗二師は日系四世にあたり、日本の文化だけではなくハワイとアメリカの文化を尊重しながら太平寺の発展に貢献しています。
さらに2005年に駒形宗二師がジェイミー夫人と共に創立した「宗明太鼓」が人気を呼び、会員は100人を超すまでに発展しています。駒形師は法務の傍ら、お寺で太鼓のクラスの指導や、KUMONの講師としても活躍しております。またホノルル警察から要請があるときには制服に着替え、警察官として地域住民の安全にも貢献しております。

法戦式

今回の記念行事は、ハワイにおいて、日本から初めての移民(通称「元年者」)を受け入れてからちょうど150年の節目でもあり、日系移民が歩んできた歴史の長さと、多くの方々に支えられて現在の日系社会が成り立っていることを改めて実感する機会でもありました。そして現在も当時と変わらず、日系社会の中心には紛れもなく寺院があるということが再確認される行事でもありました。

また今回の一連の行事は、ハワイの地元住民に愛され、日本、アメリカとそれぞれの文化を尊重した素晴らしいものでありました。期間中に行われた三十三観音入仏開眼法要では、元ハワイ国際布教師である新潟県雲洞庵住職の田宮隆児師が導師を務められました。100周年の記念式典に間に合うよう、数年前より事業が始動していたもので、寄付を募り、三十三観音を寄贈する計画でしたが、当初予定していたよりも早く寄付が集まり、昨年の夏には既に完成しており、この度ようやくの開眼となりました。寄付をしていただいた多くの方にとって待ちわびた一日となったことでしょう。また、安置する観音堂も太平寺メンバーのボランティアの手で内装が施され、多くのメンバーによる協力の賜物と言えるでしょう。

100周年記念式典法要

同日行われたマンギス達磨師の首座法戦式では、大本山總持寺より、乙川暎元監院老師を西堂としてお迎えし行われました。問答など法要に関することはすべて英語で行われ、参列の近隣住民の方々にも法要の意義、問答の内容を理解していただくことができました。多くの方が禅問答を見る初めての機会になり、ZENの教えを坐禅とはまた違ったかたちで披露する良い機会となりました。

翌日の100周年記念式典法要では乙川暎元監院老師に大導師をお務めいただきました。当初予想されていた人数の2倍近く、600名もの方に参加していただくことができました。日本からもこれまで梅花流特派師範として派遣された経験を持つ師範の方々、かつてハワイで布教活動に従事された元国際布教師の方々に足を運んでいただきました。

昼餐会で披露された「宗明太鼓」

法要後は同じ会場で記念祝賀昼餐会が開かれ、太平寺が誇る宗明太鼓の演奏が披露され、最後には「アイエア太平寺アクティビティセンター構想」が発表されました。この計画は次の100年に向け太平寺が地域にどのように貢献していくかを描いた構想であります。(詳しくは左記のURLをご覧ください。https://youtu.be/DApjoylnbIw)
創立以来100年に亘り、多くの方に支えられて今の太平寺があることを忘れることなく、これからも地域に欠くことのできない存在として新たな歴史を歩む今後の100年を総監部としても可能な限り補佐してまいりたいと存じます。

最後に、多くの方々に支えられ、今回の記念法要を無事終えることができましたことに、管内寺院、国際布教師を代表し御礼申し上げます。合掌
(ハワイ国際布教総監部記)

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