梅花のこころ~梅花流詠讃歌~ ─「慶祝御和讃」一番 ─

2019.01.08

毎月発行の『禅の友』では「梅花のこころ~梅花流詠讃歌~」と題しまして、梅花流詠讃歌の曲をもとに解説や執筆者の想いなどを紹介しています。
今月は梅花流特派師範 茨城県泉福寺 小嶋弘道先生による「慶祝御和讃」一番のお話です。

 

寿ぐ 声は 百千鳥ことほ          ももちどり

照らして映え合う 天と 地は    そら ち

正法 栄みのり さかゆる 日にあいて

法悦よろこび いよいよ高まりぬ

       「慶祝御和讃けいしゅくごわさん」一番

 

慶祝御和讃の「慶祝」とは、文字どおり「よろこび祝うこと」です。
ある檀信徒の男性が、毎年お正月にお寺においでになり、背筋を伸ばし、はっきりとした声で「新年おめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます」とご挨拶をして下さいます。
その声を聞き、私も新年のお祝いの言葉を申し上げます。
「寿ぐ」とは「言祝ぐ」とも書きますが、心の中で抱いたお祝いの気持ちを言葉で祝福することです。親しき中にも、お互いに思いを言葉にして交わすことはとても大切なことです。
歌詞では、たくさんの小鳥たちがさえずるにぎやかな様子を、人々が互いにお祝いを述べ合う状況に見立て、おめでたい様子を表現しています。
「正法栄ゆる」とは、お寺のお祝い事やめでたい行事がつとめられることは、お釈迦さまから伝えられた正しい仏法が弘く栄える情景であり、さらに「法悦いよいよ高まりぬ」と仏法の教えをいただく悦びを詠っています。
この曲は、昭和52年に行われた梅花流創立25周年記念奉讃大会の折に、お祝いの詠讃歌として発表されました。お寺のお祝い事をはじめ様々なお祝いでお唱え出来る詠讃歌です。
新たな年を迎え、すべての皆さまの幸せを願うこころと、仏さまの教えに出会えた悦びの思いでお唱えしたいですね。

皆さまもどうぞご一緒にお唱えいたしましょう。

こちらから視聴できます