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梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】バックナンバー

2024.07.03

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑲

昨年、角川書店の短歌総合誌『短歌』の読者歌壇の選者を担当しました。投稿者の年齢は10代から90代までと幅広く、ひと月に約2500首もの作品が送られてきました。その中から、「特選」「秀逸」「佳作」に選り分けるのですが、見落...

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2024.06.06

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑱

私は2年前に左肺上葉摘出手術を受けました。その3日前に入院し、手術の前日まで検査が続き、想像していた以上に辛かったことを覚えています。 手術は午前10時に始まりました。ストレッチャーに乗せられて手術室に向かい、本人確認の...

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2024.05.01

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑰

今日きょうの命いのちを喜よろこびつ まことの行持くらし通達つらぬきて仏ほとけの深ふかき御恩みめぐみに 報むくい奉まつるぞたのしけれ 「修証義御和讃しゅしょうぎごわさん」四番の歌詞です。今日ある命の尊さと、み仏との出会いの...

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2024.04.03

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑯

「諸行無常」でよく引用されるのが、『平家物語』の冒頭の部分です。『平家物語』は鎌倉時代に平家の盛衰を描いた軍記物語です。 「祇園精舎ぎおんしょうじゃの鐘かねの声こえ 諸行無常しょぎょうむじょうの響ひびきあり 沙羅さら双樹...

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2024.03.04

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑮

私は4冊目の歌集に『仮象かしょう』という題名をつけました。仮象とは、現実のように見えながら、実際は存在しないものを例える言葉です。「飛行機の窓より見ればかがやきて仮象のごとく夜の街はあり」という歌からの命名です。空港から...

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2024.02.02

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑭

誰もが身近な人の死に遭遇そうぐうします。自分が歳を重ねれば重ねるほど、身めぐりから大切な人が消えてゆきます。特に家族などの縁に近い人の死はショックな出来事であり、残された人の中には「一生涯、この苦しみを乗り越えられないだ...

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2024.01.12

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑬

私は短歌を作ります。大げさに思うかも知れませんが、短歌は私の人生そのものです。時間や人、あるいは自分の周まわりを取り巻くものを愛惜あいせきする心に基づいて、命短く移ろうものの行方に心を寄せる。一回限りの自分の人生を時の流...

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2023.12.04

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑫

道の片隅に咲く野の花、その可憐な佇まいに目を止める人も多いはずです。私たちは気づかずにいますが、草花の一本一本にもドラマがあるに違いありません。 風や鳥などによって運ばれる幸運な種子はほんのひとつまみに過ぎないでしょう。...

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2023.11.01

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑪

昨年、私は手術をしました。病は深刻なものであり、再発の危険があるので今も薬による治療が続いています。この世に在って絶対の主人公である自分が消えてゆくという事実は、私には絶望でしかありませんでしたが、手術後少しずつ体力が回...

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2023.10.02

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑩

先月、先々月と、歌人上田三四二うえだ みよじを取り上げてきました。43歳で癌に罹患りかんした上田は、今生の覚悟を決め手術を受けました。幸い手術は成功し、61歳で病気が再発するまでのおおよそ17年間、元気で過ごすことが出来...

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2023.09.04

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑨

告げられて顔より汗の噴きいづとおもふそれより動悸どうきしてをり 助からぬ病と知りしひと夜経てわれよりも妻の十年ととせ老いたり 学校にもやれぬ貧窮の母子家庭いたきかな想像の死後におよぶは 先月紹介した上田うえだ三四二みよじ...

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2023.08.02

梅花流詠讃歌【諸行無常のひびき】⑧

かつて上田うえだ三四二みよじという歌人がいました。本業は医師でしたが、文学者としても高名でした。 上田は、43歳の時に癌に罹患りかんします。その衝撃を『短歌一生』という本に書いていますので紹介します。 「……佐渡から帰っ...

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