臨済宗妙心寺派・花園大学国際禅学研究所との学術交流がスタートしました
2017.11.10
宗務庁より
11月1日、曹洞宗の研究機関である曹洞宗総合研究センターと臨済宗妙心寺派・花園大学国際禅学研究所との学術交流に関する会合が曹洞宗宗務庁で開催され、両宗の学術交流が正式に承認されました。
両研究所は平成28年2月より学術交流を進めてきました。
当日は、曹洞宗側から、釜田隆文宗務総長をはじめ内局全員、曹洞宗総合研究センター大谷哲夫所長、志部憲一副所長、専任研究員3人、妙心寺派側から、松井宗益花園学園学園長、堀尾行覚花園学園事務局長、丹治光治花園大学学長、野口善敬花園大学国際禅学研究所長、ほか花園大学国際禅学研究所・臨済宗妙心寺派教化部教化センター関係者が出席し、活発な意見交換が行なわれました。
この学術交流においては、1.僧堂関係、2.学術研究、3.布教教化という主要項目を立て、それぞれの内容について両宗派の共通問題として認識される事項や、宗派という枠を超えた禅仏教としての発展的な学問的考察を進めていく予定です。
- 僧堂関係に関しては、徒弟や僧堂の教育方法などを中心に両宗における僧侶育成の機構などを学びながら、今後のあり方を考察していく予定です。
- 学術研究に関しては、学術大会やシンポジウムなどにおける学会交流をはじめ、両宗に関わる貴重文献の共同研究を契機とし、いずれは文部科学省の科学研究費助成事業の承認を受けられるような研究へと発展させてゆく予定です。
- 布教教化に関しては、社会に向けた禅の展開を主眼とします。その中心を各宗派の特質や教義とするのは従来と同様ですが、今後は社会の要請に応じるばかりでなく、深い学識に基づいた布教教化のあり方を構築していく予定です。
これまで、宗派の研究者個人が各宗の大学や研究機関と交流することは多々ありました。しかし、この度のように宗派の研究機関同士が組織として正式に学術交流を行うことは初めての試みと思われます。
大谷所長は、本学術交流について、「今後の禅仏教の革新的興隆を目指し、この交流を発展させていきたい」と期待を大きくしています。
将来は、こうした学術交流による成果を海外の各禅センターはもちろん、可能な限り欧米諸国の大学や研究機関にも発信し、より発展的な学術交流に繋げることを目標としています。